二百字掌編シリーズ 『青き目をした与力』

二十六

「そして再び部屋に戻り、掛け金に目をやったところ」

「当然、壁にあるはずの一方がなかったんやな？」

　これに菊やん

「その通りで。しかしすぐに、それが右の方……今、鈴木様が弄（もてあそ）んでる物が床の上に落ちていました」

　それに改めて、手にした物を眺める破近

「これかいな」

「そうです。そして後は、与太さんに状況などを尋ねました……このような感じです」

「ようわかったわ。ほな、これにて芝居はおしばいや……なんちゃって、な！」