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三
それより遡るは二刻(一時間)ほど。
いかなり息を切らして番屋へ現れたのは
「おいどうした、与太? 何、慌ててるんだ?」
朝番の桜殿、突然の来訪者に目をパチクリさせている。
「さ、さ、桜の旦那! じ、実は、ご、ご……」
「ちょっとは落ち着かんかい」
そこへ奥より姿を見せた菊やん、水の入った器を相手に渡し
「ほら与太さん、これでも飲んで」
「あ、こりゃどうも」
礼を述べるや否や、グイッと飲み干し
「ご主人が、部屋で倒れていなさって!」
それより遡るは二刻(一時間)ほど。
いかなり息を切らして番屋へ現れたのは
「おいどうした、与太? 何、慌ててるんだ?」
朝番の桜殿、突然の来訪者に目をパチクリさせている。
「さ、さ、桜の旦那! じ、実は、ご、ご……」
「ちょっとは落ち着かんかい」
そこへ奥より姿を見せた菊やん、水の入った器を相手に渡し
「ほら与太さん、これでも飲んで」
「あ、こりゃどうも」
礼を述べるや否や、グイッと飲み干し
「ご主人が、部屋で倒れていなさって!」
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