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百十五
ここまで言った木俣様、その眉を潜め
「さては素性がばれぬよう、南条側が手を回しおったな」
「ま、家の名誉を守るためでんな」
すべてを飲み込めた木俣様、今なお女房であり続ける女を見て
「確かに、死に別れには相違ないが」
だが相手は目を閉じたまま。
「このわしを恨むのは、筋違いではないのか?」
ここでようやく女、その目をカッと開き
「筋違いなどでは断じてない! このような裁きさえ受けなければ、長三郎は……長三郎は……」
ここまで言った木俣様、その眉を潜め
「さては素性がばれぬよう、南条側が手を回しおったな」
「ま、家の名誉を守るためでんな」
すべてを飲み込めた木俣様、今なお女房であり続ける女を見て
「確かに、死に別れには相違ないが」
だが相手は目を閉じたまま。
「このわしを恨むのは、筋違いではないのか?」
ここでようやく女、その目をカッと開き
「筋違いなどでは断じてない! このような裁きさえ受けなければ、長三郎は……長三郎は……」
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