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十一

「常吉です」


「お、大丈夫や!」


 そ、そんなあ。みんな、除外された……


「ほな、最後や。名前は?」


 い、言えるわけ、ないよ!


「ん? 名無しのわけないやん? ほな、も一回。名前は?」


 む、むり……


「聞こえんかったんや。ほな」


 近寄るなあ! そ、それ以上、近寄ってくるなあ!


「その子、お奈津ちゃんって言います」


 あ


「ありゃ? 『お』にしろ『な』にしろ、いずれでも含まれてるわ。ま、片仮名やったとしても、『オ』やし『ナ』やしな」


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