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七十二

「さっき通ったところ、確か三叉路でしたがあ?」


「蕾さん。おそらく、そこまで戻るつもりでつよ」


 やがて緑丸が言った通り、向きを九十度変え、来た道を引き返してきた。

 三匹の目の前を通りすぎた駕籠。無論、彼らも後に続いたところ


「あ、やっぱり三叉路で止まったな」


「でもねえ、種子ちゃん? 右と左、どっちの道を選ぶのかなあ?」


「片方は林の中を通る道で、もう片方は海沿いの道か……やっぱ、海沿いじゃない? 安全そうだし」



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