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六十四

 そこへ戻ってきた仲居姿の蕾


「あ、気がついたんだあ!」


「蕾ちゃん、ありがとね」


 これに姉貴分


「私はいいからあ、緑丸にちゃんとお礼しなせえ」


「あっ」

 うっかり忘れていた種子


「あ、ありがと」


「横目じゃなくってえ!」


「はいはい……有難うございました!」


 これに少年、微笑みながら


「はいでつ」


「じゃあ、早速夜の対策を!」


 この蕾の言葉に


「寝ておられる時が危ういでつね」


 それに種子も


「じゃあ、天井裏から交代で見張ろうよ」



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