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四十五

 わざわざこけてるお鈴の指に、この男


「嘘ついたら、うちまで来ーや!」


 そんな娘、不思議そうに


「その程度の罰でよろしいんですか?」


「もちろんや!」


 これには同心二人も顔を見合わせている。




 その三日後の事、中年の夫婦が奉行所の門を叩いた。そしてすぐ後ろには、無論、娘も立っている。



「さすが鈴木様。ご慈悲ある判断にて……」

 だがここで菊やん、相手の浮かぬ顔に気づき


「何か?」


「ああ……南町に来て欲しかったなって、な」



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