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三十五
はて、どこから聞いたものか――破近が迷っていると
「すべて父から聞いた話ではございますが」
こう前置きしてきたお鈴
「九つになったばかしの頃、一人夜道を歩いている時に……無頼な輩に襲われ」
まこと聞くに耐えぬ話だったが
「気の毒な話やな」
正直な思いがそのまま口をついたのだが、一気に最後まで話したいのか、娘はこれには答えず
「泣き泣き家に戻り……事のあらましを聞いた父が、長屋の男の人らとその場に向かったところ」
はて、どこから聞いたものか――破近が迷っていると
「すべて父から聞いた話ではございますが」
こう前置きしてきたお鈴
「九つになったばかしの頃、一人夜道を歩いている時に……無頼な輩に襲われ」
まこと聞くに耐えぬ話だったが
「気の毒な話やな」
正直な思いがそのまま口をついたのだが、一気に最後まで話したいのか、娘はこれには答えず
「泣き泣き家に戻り……事のあらましを聞いた父が、長屋の男の人らとその場に向かったところ」
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