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三十四
暫し黙りこんだお鈴だったが、やがて意を決したようで
「母の方が咳き込んでしまい、床に伏しております」
「あらら、そら大変やな……で、お鈴ちゃんな?」
精一杯、優しく振る舞う吟味方が
「ここにわざわざ来たっちゅうことは、昔のことに触れても構へんって考えてもええんやろか?」
一瞬だけ間があったが、それでも
「その覚悟はできています」
破近、思わず
「ホンマ、しっかりしたええ子やな!」
これに菊、藤の両若者も頷いている。
暫し黙りこんだお鈴だったが、やがて意を決したようで
「母の方が咳き込んでしまい、床に伏しております」
「あらら、そら大変やな……で、お鈴ちゃんな?」
精一杯、優しく振る舞う吟味方が
「ここにわざわざ来たっちゅうことは、昔のことに触れても構へんって考えてもええんやろか?」
一瞬だけ間があったが、それでも
「その覚悟はできています」
破近、思わず
「ホンマ、しっかりしたええ子やな!」
これに菊、藤の両若者も頷いている。
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