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二十八

――すぐに先頭の駕籠へと向かって走り出した。


「ブオッ!」


 この尺八の合図で察した種子、すぐに懐よりぶーめらんを取り出し


「これぞ風魔忍法、あっというまに……」


「前口上は抜きですう!」


「あ、はい!」


 ようやく放たれたぶーめらん、見事、男の頭を直撃した。


「間一髪でした、ふうー」



 失神して倒れたままの男に近寄った町娘、いろいろと探ってはみるものの


「特に怪しいものは持ってないなあ」


 ここは品川。まだまだ先は長い――



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