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七十九
ここまでずっと黙っていた、同心歴の長き松殿だったが
「どうりで記憶にないなあと思ったら、裁いたのは北町かあ」
だが、なおも藤殿
「それにしましても、やはりおかしいかと。重追放以上の刑ですと、老中の秋元様への上申も要りますし」
ここでようやく、口を挟んできた吟味方
「ま、その通りやけんどな。刑罰っちゅんは、案外ええ加減なもんなんやわ」
これを聞いた菊やん
「お言葉がすぎるかと」
「そやかてな、罪があっての刑罰やし」
ここまでずっと黙っていた、同心歴の長き松殿だったが
「どうりで記憶にないなあと思ったら、裁いたのは北町かあ」
だが、なおも藤殿
「それにしましても、やはりおかしいかと。重追放以上の刑ですと、老中の秋元様への上申も要りますし」
ここでようやく、口を挟んできた吟味方
「ま、その通りやけんどな。刑罰っちゅんは、案外ええ加減なもんなんやわ」
これを聞いた菊やん
「お言葉がすぎるかと」
「そやかてな、罪があっての刑罰やし」
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