2913/3502
七十六
「この吉次、いや平政なる男。五年で恩赦を受けて伊豆より戻ってき、屋形船の船頭として働いて五年になる……つまり、十年ばかし前に遠島になるほどの罪を犯したということか」
これに破近、ニコリと
「松はん。牛みたいに噛み砕いてくれて、ホンマおおきにですわ……馬のくせして」
「ん? 今、終いの方で何か言ったか?」
「うんにゃ」
しらを切るのは十八番の吟味方、すぐに皆を見て
「ほな、力合わせて十年前の事でも探りまひょか?」
「この吉次、いや平政なる男。五年で恩赦を受けて伊豆より戻ってき、屋形船の船頭として働いて五年になる……つまり、十年ばかし前に遠島になるほどの罪を犯したということか」
これに破近、ニコリと
「松はん。牛みたいに噛み砕いてくれて、ホンマおおきにですわ……馬のくせして」
「ん? 今、終いの方で何か言ったか?」
「うんにゃ」
しらを切るのは十八番の吟味方、すぐに皆を見て
「ほな、力合わせて十年前の事でも探りまひょか?」
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。