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七十五

「なるほど、でんな。こらまたメッチャ大事な話ですわ、お天道はん」


 桜殿の報告を聞き終えた破近、相手を労ってはいるものの


「おぬし! 丸だったら何でもよいのか!」


「まま、そういきり立たたんと……で、がきんちょはんもご苦労様でしたわな」


 これに当人ときたら


「案外と鮎魚女あいなめっていうのも粋だなあ」


「はあ? 何いうてまんねん?」


 そら首を傾げる吟味方、そこに桜殿が


「悲しいかな、この御方。とうとう螺子ねじが一本外れたみたいだ」



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