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六十二
「それは紙一重でよろしいかと」
この藤殿の言葉に力を得た菊やん
「逃げやすいように河口辺り、もしくは内海に出てすぐじゃないかと」
「言えてますね。何しろ、半数は女の身ですからね」
空では烏が鳴き始めた。
「思うんですが……」
「何をです、藤殿?」
「屋形船が沈むことなく外海まで流された……これもよもやの事ならば、それが見つかったのも、これまたよもやの事……ですよね?」
「確かに、よもやのよもやですね……それが?」
「それは紙一重でよろしいかと」
この藤殿の言葉に力を得た菊やん
「逃げやすいように河口辺り、もしくは内海に出てすぐじゃないかと」
「言えてますね。何しろ、半数は女の身ですからね」
空では烏が鳴き始めた。
「思うんですが……」
「何をです、藤殿?」
「屋形船が沈むことなく外海まで流された……これもよもやの事ならば、それが見つかったのも、これまたよもやの事……ですよね?」
「確かに、よもやのよもやですね……それが?」
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