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六十
蕪丸を検めているは、同じ年恰好の同心二人。
一人が虫眼鏡を片手に床に這いつくばり、もう一人が脇で提灯にて照らしている。無論その虫眼鏡、吟味方愛用の代物だ。
やがて、それを通して菊やんの目に飛び込んできたのは
「ん? ここに黒っぽい染みが?」
そこに藤殿も、眼鏡を上げつつ覗き込み
「どれどれ? あ、本当……こ、これって」
そして次の瞬間、顔を見合わせ
「血だ!」
恐る恐る、指でなぞる菊やんだったが
「もう乾ききってます」
蕪丸を検めているは、同じ年恰好の同心二人。
一人が虫眼鏡を片手に床に這いつくばり、もう一人が脇で提灯にて照らしている。無論その虫眼鏡、吟味方愛用の代物だ。
やがて、それを通して菊やんの目に飛び込んできたのは
「ん? ここに黒っぽい染みが?」
そこに藤殿も、眼鏡を上げつつ覗き込み
「どれどれ? あ、本当……こ、これって」
そして次の瞬間、顔を見合わせ
「血だ!」
恐る恐る、指でなぞる菊やんだったが
「もう乾ききってます」
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