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五十八
「ちなみに、その口入屋の名は?」
「円町にある、確か斡旋太助という名だったと」
「ふん。魚屋の一心太助みたいだ」
つい鼻で笑った男、続けて
「ところで、吉次さんの過去について聞かれたことは?」
「生憎、御覧の通りの……あ、御覧されてなかったか。そりゃもう、口の重き男でして」
「なるほど。では当然、家族やら生い立ちやらについても……」
「それも、何度聞こうと答えようとはせず……ただ」
これに眉を動かす松殿
「ただ?」
「ちなみに、その口入屋の名は?」
「円町にある、確か斡旋太助という名だったと」
「ふん。魚屋の一心太助みたいだ」
つい鼻で笑った男、続けて
「ところで、吉次さんの過去について聞かれたことは?」
「生憎、御覧の通りの……あ、御覧されてなかったか。そりゃもう、口の重き男でして」
「なるほど。では当然、家族やら生い立ちやらについても……」
「それも、何度聞こうと答えようとはせず……ただ」
これに眉を動かす松殿
「ただ?」
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