二百字掌編シリーズ 『青き目をした与力』

五十二

「ああ。客なんて、どこの馬の骨かもわからんわな」

「でっしゃろ？　そやからここは、己自身が吉次になったつもりで考えを推し進めまんねん」

　この意外な言葉に、訝る相手

「吉次になったつもり、だと？」

「はいな。で、終いまで日誌を綴りたかったが、やむを得んかった……」

「そんなもん、誰かが話しかけてきたんで中止したに決まってるわ」

　だが破近、ビシッと

「ちゃいます！　そんなら、話の終わった後に再び先を続けるはずですわ！」