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二十三

「へい。旦那が一年以上も放ったらかしにしたため、いきなり傷心の旅にでも行くと」


 この朝太郎親分のよもやの言葉に、狼狽える青き目


「そ、そうかいな……あのド阿呆め」


 そこに、一言よけいな喜助も


「そら、旦那が悪いですねえ。あんだけ可愛がっておられたくせに、心変わりなんぞして」


「おい、この場で即刻打ち首にでもしたろっか?」


「あ、いえ、滅相もない」


 慌てふためる男。それをしり目に破近


「ま、執行猶予にしといたるわ」



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