二百字掌編シリーズ 『青き目をした与力』

四

「今帰ったで！」

「あ、おかえりなさい！」

　いつものように、ご主人様を元気に迎える緑丸。だがそこは神童、すぐに

「何だかルンルンでつね？」

「お、わかるんや！」

「はいでつ。そこまで陽気な破近様って、めったにお目にかかれないでつ」

と、澄まして言ったあと

「おそらくは、冷奴姐さんが絡んでまつね？」

「そやねん。実はな、秋に一緒に屋形船……」

　ここで破近、その青き目を見開いて

「じ、自分、心理学者として自立できっで！」