二百字掌編シリーズ 『青き目をした与力』

五十九

……目の玉が飛び出た。完膚無きまでに叩きのめされた。無念この上なし、だ。

　一番目、二番目だと？　何故にそこまで知恵が回るんだ？

　とりわけ、上方言葉を使う方……おそらくは吟味方あたりだろうが、あたかもその青き目にて一部始終を見ていたかのよう。　　　

　いの一番に、己に言い聞かせたはずだ。

……医者らしき謀、医者らしからぬ振る舞い、と。

　だが大事なところで、やはり本性が顔を覗かせてきた……医者らしき振る舞いをしたわけだ。