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五十六

「だとすると……」


 これに復唱してきた吟味方


「だとすると?」


「何故に火口やら付け木やらの燃えかすが、行燈もしくは火打箱に残ってないのでしょう?」


 その答え、すでに明白。


「そら、さっき自分が言ったことやろ?」


「その通りで……荒々しさを見せつけながらも、実際にはすこぶる慎重に動作していると。つまり念を入れすぎて、あるべきはずの燃えかすまで取り払ってしまったわけですね?」


 これに破近が手を叩き


「百点満点や!」





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