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四十五
「なあ? 一番上の段は、どうなってる?」
「数冊の書物が抜き取られてますが?」
「ほんなら、お次は一番下や」
今度は、その目を下げた菊やんだったが
「やはり、同じように数冊の書物が……」
だがやはりこの同心、賢明である。
「あっ! ど真ん中にある肝心要の書物の、その上下とも調べあげられてある!」
これに我が意を得たりと
「そやねん。普通は順に一冊ずつ調べるんをな、わいには何や適当に選んで調べてるみたいに見えるんやわ」
「なあ? 一番上の段は、どうなってる?」
「数冊の書物が抜き取られてますが?」
「ほんなら、お次は一番下や」
今度は、その目を下げた菊やんだったが
「やはり、同じように数冊の書物が……」
だがやはりこの同心、賢明である。
「あっ! ど真ん中にある肝心要の書物の、その上下とも調べあげられてある!」
これに我が意を得たりと
「そやねん。普通は順に一冊ずつ調べるんをな、わいには何や適当に選んで調べてるみたいに見えるんやわ」
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