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四十ニ
「な、納屋の中です」
「ほな、錠前は? 錠前は掛けられてましたんやろ?」
「あ、はい。でも今見ましたら、それが開けられており……」
「ま、千両箱は頑丈やし、それにメッチャ重いし……つまり壊すことも、持ち去ることもできへんっちゅうわけや」
そうつぶやいた吟味方、再び珠代に向かって
「ほな、その鍵って今どこにありまっか?」
これに女が、畳の上に放られた一冊の黒き表紙の書物を指さし
「こ、この中にしまってあるはずです」
「な、納屋の中です」
「ほな、錠前は? 錠前は掛けられてましたんやろ?」
「あ、はい。でも今見ましたら、それが開けられており……」
「ま、千両箱は頑丈やし、それにメッチャ重いし……つまり壊すことも、持ち去ることもできへんっちゅうわけや」
そうつぶやいた吟味方、再び珠代に向かって
「ほな、その鍵って今どこにありまっか?」
これに女が、畳の上に放られた一冊の黒き表紙の書物を指さし
「こ、この中にしまってあるはずです」
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