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四十

「見当たりませんが……」


 これに


「二番目は、ここやな?」


「そうですね。一人で歩くわけもありませんから」




「ここが仏はんの部屋でっか」

 その青き目で、部屋中を見回している吟味方


「にしたって、メッチャ散らかってまんなあ」


 これに菊やんが


「金の在り処を探しまくったかと」


「フーン……で、終いには」

 またもや破近、その目を珠代へと向け


「見つけたっちゅうわけでんな?」


 これにハッとする女


「あ! すっかり忘れておりました!」



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