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十三

「え? まだ何か御用が?」


 破近、眉を潜める相手に向って


「そそ。お美代ちゃんな、ご主人はんに会わせてくれへんか?」



 やがて奥から顔を出してきた、人の良さそうな初老の男。相手の青き目に驚きながらも


「はい、私が主人の吉衛門でございますが?」


 そんな相手に、破近が早速


「あのな、わいって人捜しておるんやけど」


「人、でございますか? その方のお名前は?」


「お静っていう娘はんなんや。ここに奉公してるって聞いたさかいな」


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