2808/3502
三十一
「失礼します」
そこにやってきたのが、丸眼鏡の藤殿。すぐに菖蒲殿の元へ歩みより、その耳に
「実は、斯々然々(かくかくしかじか)……」
「なになに?」
耳を傾ける菖蒲殿、やがてニヤリと
「おたくって、仏さんから十両も借りてたんだ! 十両も! ほれ、証文も見つけたわよ!」
まるで己の手柄の如く言ってきた。
そしてこれを聞いた瞬間、顔色を変えた陶芸家。だが、すぐに
「別に繰り返さなくとも……確かにそのとおりですが、毎月きちんと返しております」
「失礼します」
そこにやってきたのが、丸眼鏡の藤殿。すぐに菖蒲殿の元へ歩みより、その耳に
「実は、斯々然々(かくかくしかじか)……」
「なになに?」
耳を傾ける菖蒲殿、やがてニヤリと
「おたくって、仏さんから十両も借りてたんだ! 十両も! ほれ、証文も見つけたわよ!」
まるで己の手柄の如く言ってきた。
そしてこれを聞いた瞬間、顔色を変えた陶芸家。だが、すぐに
「別に繰り返さなくとも……確かにそのとおりですが、毎月きちんと返しております」
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。