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二十五

 役人が帰った後


「泰山様に悪いことを……」


「思われた通りの話をしたのでしょう? ならば致し方ないと」


「それはそうなんですが」


 どうも歯切れが悪いんで、こちらより問うとでもしようか。


「泰山様って、右門先生から多額の金を借りていたらしいですね?」


「……」


「この私が知っているくらいですから、とっくに珠代さんだって」


 相手が深いため息をついている。


「まあ、天下の南町だ。それくらいのことは、すぐに調べあげますよ!」



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