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二十一

 いきなりの問いかけゆえ、少々戸惑ったが――落ち着け。これから何度も起こること。


「そのとおり、かと」


「わかりました。では再び、珠代さんですが」


「あ、はい」


「縛られた後は?」


「暫くしたら、遠くより何やらドンとぶつかったような音が」


「ほう? 音ですか……それは、一度きりですか?」


「はい」


 珠代も慣れてきたようだ。先を自ら話し出している。


「恐ろしくて一睡も出来ませんでした。でも、その後は特に何も起こらず……」



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