2788/3502
十一
わが声を聞き、懸命に寝返りを打とうとしている女。
「あ、そのままで!」
そう叫んで、向こう側へと回り
「な、何と!」
「ングング」
「すぐに外します!」
早速、口を塞いでいる手拭いに手をかけた。
己で締めたものを己で外す――込み上げてくる笑いを抑えるのが大変だ。
やがて外し終わるや否や、堰を切った如く
「せ、先生! よ、夜中に賊が!」
「ぞ、賊ですって?」
そこで、すぐに振り返り
「右門先生の身に何か!」
――完璧ではある。
わが声を聞き、懸命に寝返りを打とうとしている女。
「あ、そのままで!」
そう叫んで、向こう側へと回り
「な、何と!」
「ングング」
「すぐに外します!」
早速、口を塞いでいる手拭いに手をかけた。
己で締めたものを己で外す――込み上げてくる笑いを抑えるのが大変だ。
やがて外し終わるや否や、堰を切った如く
「せ、先生! よ、夜中に賊が!」
「ぞ、賊ですって?」
そこで、すぐに振り返り
「右門先生の身に何か!」
――完璧ではある。
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。