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八
金の在り処くらいは存じ上げている。そこより、あるだけの金を奪い取ってやった。どうせ汚い金、使う気などさらさらない。
手当たり次第に――棚の中より書物を、柳行李の中から着物やらを出してはその辺りに、足の踏み場もないくらいにばらまいた。
ついでに仏の布団もおもいっきり捲った。その勢いで、やつの身体は数尺転がり、終いにはうつ伏せになってしまった。
提灯で照らしながら、周りを見回す。とりわけ気になる点はない――
金の在り処くらいは存じ上げている。そこより、あるだけの金を奪い取ってやった。どうせ汚い金、使う気などさらさらない。
手当たり次第に――棚の中より書物を、柳行李の中から着物やらを出してはその辺りに、足の踏み場もないくらいにばらまいた。
ついでに仏の布団もおもいっきり捲った。その勢いで、やつの身体は数尺転がり、終いにはうつ伏せになってしまった。
提灯で照らしながら、周りを見回す。とりわけ気になる点はない――
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