2773/3502
三十八
「ホンマに使うたかどうかは、一旦置いといてでんな。これを何個か仏はんの懐やら袖やらに忍ばせとったら、体の温もりを保てるっちゅう話ですわ」
これを聞き、考えを巡らせる姐さん
「旦那、と言うことはですよ。打ち上げに出かける前にその医者に手をかけ、そこに火をつけた懐炉を忍ばせた……とでも?」
「そうかもっちゅう事ですわ。これって木炭の粉に桐やら楠やらの灰を混ぜてあるもんでして、これが案外長持ちしますさかいな」
「ホンマに使うたかどうかは、一旦置いといてでんな。これを何個か仏はんの懐やら袖やらに忍ばせとったら、体の温もりを保てるっちゅう話ですわ」
これを聞き、考えを巡らせる姐さん
「旦那、と言うことはですよ。打ち上げに出かける前にその医者に手をかけ、そこに火をつけた懐炉を忍ばせた……とでも?」
「そうかもっちゅう事ですわ。これって木炭の粉に桐やら楠やらの灰を混ぜてあるもんでして、これが案外長持ちしますさかいな」
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。