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百二十四
「さあてっと、ボチボチ上がりまするう」
怠惰なくの一が立ち上がろうとしたこの時、静かに開いた戸より現れた一人の女、辺りを見回しながらゆっくりと中へ入ってきた。
これにすぐさま、岩の後ろへと身を潜めた蕾。気配を感じさせない、そこは腐っても忍びである。
「まだ腐ってないですう」
そして新参なる女、やはり周りを気にしつつ湯の中へと。
やがて四分の一刻(およそ三十分だって!)が過ぎた頃、こんな夜更けによもやの――
「お貞ちゃん、早く早く!」
「さあてっと、ボチボチ上がりまするう」
怠惰なくの一が立ち上がろうとしたこの時、静かに開いた戸より現れた一人の女、辺りを見回しながらゆっくりと中へ入ってきた。
これにすぐさま、岩の後ろへと身を潜めた蕾。気配を感じさせない、そこは腐っても忍びである。
「まだ腐ってないですう」
そして新参なる女、やはり周りを気にしつつ湯の中へと。
やがて四分の一刻(およそ三十分だって!)が過ぎた頃、こんな夜更けによもやの――
「お貞ちゃん、早く早く!」
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