二百字掌編シリーズ 『青き目をした与力』

百二十一

「端から肉なんぞなかったですう！」

　平気な顔で言ってくる相手に破近、声を荒げ

「嘘こくでね！」

　だが蕾、一向に悪びれる事もなく

「てへっ。その代わりにい、あっしに何でも言ってくだされえ！」

「あっしって、おまえいつから野郎になったんや？」

「いいからいいからあ、さっさと事情を話さんかあ！」

　これに苦い顔のご主人様

「ここんとこ、とみに言葉が乱れてきたような……ほなしゃべるさかい、耳貸しや」

「おう、貸したるわあ！」