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五十八

「だ、だって、こんな姑と小姑と我慢して暮らしてるんですよ! それに見合うお金くらいもらったって、バチなんか当たらないでしょう!」


 ひとしきり喚いた後、顔を伏せてしまった奥さん。

 片や、お絹もお米も何も言えずに、ただそれを眺めるだけだった。


「やっぱ、遺産欲しさやったんや。にしても、前代未聞の土俵際やったでんな!」

 感心している破近、すぐに菖蒲殿の方を向き


「ほな、お連れし! 今度こそ間違いあらへんさかい、な!」

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