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八十二

「さいでっかいな。にしたって、おたくメッチャ美男やん」

 そう相手を褒めたあと、そっと


「せいぜい熊に喰われんどきや」


 だが、これが聞こえた男


「だから、熊じゃ……」


「ま、固いこと言いないな。で、小刀みたいなもんって、この厨房の他にも置いてありまっか?」


「見た事も聞いた事もねえです」


「そっか。ほな、おおきにでしたわ」

 例を述べた破近、片目をつむって


「晩飯の鮭、期待してますよって!」


「鮭? いや、今日は鮎の……」



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