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五十四
「ま、牢に入れたんはええけんど……」
ここで破近、首筋辺りをボリボリと掻きつつ
「もし下手人とちゃうかったら、今働いてるその頭やら、今しゃべってるその口やら……これらが一斉に飛びまんが、それでもよろしゅうおまんな?」
何食わぬ顔で、そう言われるほど怖きものはない。
「え?」
だが、哀れにも相手は言い返してき
「む、無論、かまいませぬ。しかしながら、さすがにご亭主ですな。女房を思うお姿、いたく感動いたしました」
「ま、牢に入れたんはええけんど……」
ここで破近、首筋辺りをボリボリと掻きつつ
「もし下手人とちゃうかったら、今働いてるその頭やら、今しゃべってるその口やら……これらが一斉に飛びまんが、それでもよろしゅうおまんな?」
何食わぬ顔で、そう言われるほど怖きものはない。
「え?」
だが、哀れにも相手は言い返してき
「む、無論、かまいませぬ。しかしながら、さすがにご亭主ですな。女房を思うお姿、いたく感動いたしました」
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