2619/3502
四十三
「お縄につけやて?」
無論この状況を打破するなど、鬼にとってみれば造作もなき事。だが先刻の関所破りに加え、今度は殺しの容疑ときた。
「あの阿呆、職を失うかもしれへんわな」
「何をブツブツ言っておる……で、お縄につくんじゃな?」
これに両手を差し出したお富さん
「早よ、さっさと縛ってんか!」
だがこの時、傍らにて高笑いをしている女将の顔だけは、その目にしっかりと焼き付け
「この地獄へ、また戻ってきたるさかいな!」
「お縄につけやて?」
無論この状況を打破するなど、鬼にとってみれば造作もなき事。だが先刻の関所破りに加え、今度は殺しの容疑ときた。
「あの阿呆、職を失うかもしれへんわな」
「何をブツブツ言っておる……で、お縄につくんじゃな?」
これに両手を差し出したお富さん
「早よ、さっさと縛ってんか!」
だがこの時、傍らにて高笑いをしている女将の顔だけは、その目にしっかりと焼き付け
「この地獄へ、また戻ってきたるさかいな!」
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。