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三十六
「銭でも落ちとるんかいな?」
興味津々、そこへと近寄ったお富さんだったが
「なあ? さっきから聞いてますやろが。いったい何をお探し……」
だがこの瞬間、赤き鬼がその背より流るる同じ色したものに腰を抜かした。
「ぬおおおっ! ち、血い流しとるやんけ!」
この時、ガラリと背後の入口の戸が開き
「あらあ、湯煙で何も見えやしない」
「でもさ、硫黄の臭いがすごくない?」
はじゃぎながら中へと入ってきたのは、二人の若き娘だった。
「銭でも落ちとるんかいな?」
興味津々、そこへと近寄ったお富さんだったが
「なあ? さっきから聞いてますやろが。いったい何をお探し……」
だがこの瞬間、赤き鬼がその背より流るる同じ色したものに腰を抜かした。
「ぬおおおっ! ち、血い流しとるやんけ!」
この時、ガラリと背後の入口の戸が開き
「あらあ、湯煙で何も見えやしない」
「でもさ、硫黄の臭いがすごくない?」
はじゃぎながら中へと入ってきたのは、二人の若き娘だった。
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