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三十一

「ちょ、ちょっといきなり何を!」


 相手が目を剥いてるのにも、一向にかまうことなく


「ねえちゃんよう、よう聞いとけや? 満喫っちゅうんはな」

 ここで、相手に唾がかかるほど顔を近づけた鬼


「存分に飲み食いするっちゅうことなんやで!」


「つ、唾が……く、苦しいし、き、汚ならしい……」


 だが、さすがに鬼だけのことはあり、容赦の微塵もない。


「生意気な口きくさかいこうなるんや。わかっとんのかい、このボケ!」


「は……い……」


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