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二十九
そして夕刻になり
「飯すらも呼びに来んのかい?」
そこで自ら、腹をすかした熊のようにウロウロしだした。
やがて廊下の先にて、その鼻をひくつかせ
「お、ここが食堂やな」
「わいのどこやろ?」
そんなキョロキョロしている熊に、先程の仲居が
「おたくは、そこの盆ね」
目の前の盆と券とをを交互に見ているお富さん。
「どこが山里の味満喫やねん?」
はたして盆の上には、硬そうな麦飯と新香と具の姿が見えない汁物しか乗っていない――
そして夕刻になり
「飯すらも呼びに来んのかい?」
そこで自ら、腹をすかした熊のようにウロウロしだした。
やがて廊下の先にて、その鼻をひくつかせ
「お、ここが食堂やな」
「わいのどこやろ?」
そんなキョロキョロしている熊に、先程の仲居が
「おたくは、そこの盆ね」
目の前の盆と券とをを交互に見ているお富さん。
「どこが山里の味満喫やねん?」
はたして盆の上には、硬そうな麦飯と新香と具の姿が見えない汁物しか乗っていない――
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