二百字掌編シリーズ 『青き目をした与力』

五

　破近、ここで遺体を調べている初老の男に

「藪先生。どないでっか？」

「ああ。仏さんになったのは、おそらく八つから七つにかけて（午後二時～四時）じゃろて」

「そうでっか。で、菖蒲はん、第一発見者は誰なん？」

　座敷に案内された破近。目の前にいる若い娘に

「お幸ちゃん、久しぶりやん」

「ご無沙汰しております、鈴木様」

　たった二度の訪問ではあるが、相手にはその青き目が印象に残ってるようだ。

「そん時の話をしてくれへん？」