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「こら旦那、お早いお着きで」


 島原屋にて待っていた朝太郎親分。


「お、朝ちゃん。ご苦労はん! で、質兵衛はんの遺体は?」


「へえ、風呂場に」


 二度ばかりこの家を訪れた事がある破近。その際、風呂にも呼ばれていた。


「ああ、あの洋風の風呂場かいな」



 早速現場へと向った破近、すでにそこには数人の役人がいる。そして、彼らに指示を出している同心を見て


「なんや、菖蒲はんかいな」


 散々言い合った仲だが、今や上司と部下の関係だ。


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