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三十六

 やがて飛んできた医者、ならびに通訳のハンス嬢


「毒ですって?」


「そうでんねん、ホイヘンスはん」

 無論、オランダ語である。そして破近が、傍らに置いてあるスープ入りのカップに目をやり


「それ飲んですぐ、おかしいと気づいたもんで」


「今朝のスープですって?」

 同じくそのカップを凝視する医者。すぐに鞄からやはり銀の棒を取り出してき、早速カップの中へと――


「ひ、砒素だ……し、しかし、何故にあなたまでが狙われるんだ?」


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