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二十一

「ええ、単に他人様を探るんです」


「は、はあ」


 完全に煙に巻かれた格好の役所長。

 そこに


「コホン。では次」


 これに、柿色の忍び着を身にまとっている蕾が


「はいですう! 風魔一族の蕾ですう!」


「ふ、風魔? で、ではおたく様はくの一で?」


 この室田さんの問いに、アッサリとご本人


「くの一ですう! つべこべ言うなあ!」


「べ、別に一言申しただけですが」


「コホン。で、最後が、この珍庵……」


――だが、当の本人の姿がどこにもない?


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