二百字掌編シリーズ 『青き目をした与力』

六十七

「どんぞどんぞ！」

「あ、はい」

　ペコリと頭を下げた娘、先を続け

「先程より吟味方様の申された通りで、生まれ変わって二代目を名乗るつもりでした」

　これに

「そうやって、再び人気を得ようとしたんやな？」

「はい。誠にあつかましい話で」

　これを見ていたお民

「それこそ、まさにてふてふの声だ。じゃあ、さっきは声色まで変えてたのか」

「ええ、お民さん、でもね……」

　そしてニコリと

「筋がいいって言ってくれて、有難うございます」