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四十九
「旦那? 誰一人も素顔なんて見た事ない……」
だが喜助の言葉の最中、一人だけが手を上げてきた。
「あ、金持はん一人だけなんや」
これに相手が
「その昔、一人のややこが、こおろぎ橋のたもとに捨てられておりましてな」
「ほら、いつも旦那が姐さんと逢引してる橋ですよ!」
すぐに話の腰を折ってくる喜助。
「この阿呆! 聴衆の前でやらしい言い方すな!」
それを眺めていた金持さん、
「よ、よろしいでしょうか?」
「あ、どぞどぞ先を」
「旦那? 誰一人も素顔なんて見た事ない……」
だが喜助の言葉の最中、一人だけが手を上げてきた。
「あ、金持はん一人だけなんや」
これに相手が
「その昔、一人のややこが、こおろぎ橋のたもとに捨てられておりましてな」
「ほら、いつも旦那が姐さんと逢引してる橋ですよ!」
すぐに話の腰を折ってくる喜助。
「この阿呆! 聴衆の前でやらしい言い方すな!」
それを眺めていた金持さん、
「よ、よろしいでしょうか?」
「あ、どぞどぞ先を」
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