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四十四

「ちょっと。別に、旦那の趣味を聞いてるわけじゃありませんって」


 喜助になだめられたら、それこそ仕舞いである。



「ほな、これで全員かいな……あ、てふてふちゃんがおるわな?」


 これに金持さん、再び同じ台詞を吐き


「自宅にて寝込んでおりますもので」


「あ、そうでしたな……うわあっ!」

 ここでいきなり茶碗をひっくり返した破近、慌てて懐より手拭を取り出し


「え、えらいこっちゃ!」

 

 そう言いながら、しきりに行李を拭き始めた。


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