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三十五

 そう言った破近だったが、何故か薄気味悪い笑いをし


「さてはおまえって、まだ例のてふてふに熱上げてるんやろ?」


「え? あ、いいえ、今はうぐいすちゃんでして」


「はあ? ホンマ、目移りが激しいやないか」


 だが、ここで立ち止まった喜助


「そう言えば、旦那。そのてふてふちゃんですが、病で寝込んでるとか」


「ふうん、病とは無縁そうやったけんどな」

 あれ以来、実は脳裏からその姿が消えない助平


「ほな、ちょっくら覗いてみよか?」


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