二百字掌編シリーズ 『青き目をした与力』

二十五

「そう言われたって、いきなりの合戦物ですよ！」

　これに眉間に皺を寄せる旦那

「また、おまえか……政吉、いい加減にしろ！」

　黙りこんだ若者に代わって、今度はお民が

「しかし、いつまでもてふてふが不在であるとは、客に通らないかと？」

「それもそうだな」

　ここで旦那、すっかり忘れられた格好の娘を見て

「そうだ！　お民！　このお咲に猛練習させ、二代目てふてふを名乗らせるのだ！」

「ええっ？　だって、今日来たばかりの娘ですよ？」