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十四
慌てて走り去る若者の背を見た後、旦那が再び向き直り
「おい、お民よ。万が一にもあいつ来なかったならば、今夜の芝居を変える必要が出てくる」
「そうですね……」
一つ頷いた女、少々考えた挙句
「それならば、男どもが中心の合戦ものは如何でしょう?」
「おお、そうしよう! ならば速やかに選んで、その稽古を優先せよ。いいな?」
「わかりました」
そして、その夜。観客が見せられたのは、『両国橋心中』ではなく――『桶狭間合戦』
慌てて走り去る若者の背を見た後、旦那が再び向き直り
「おい、お民よ。万が一にもあいつ来なかったならば、今夜の芝居を変える必要が出てくる」
「そうですね……」
一つ頷いた女、少々考えた挙句
「それならば、男どもが中心の合戦ものは如何でしょう?」
「おお、そうしよう! ならば速やかに選んで、その稽古を優先せよ。いいな?」
「わかりました」
そして、その夜。観客が見せられたのは、『両国橋心中』ではなく――『桶狭間合戦』
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